合成音声を利用した読書の可能性 - 第13回出版UD研究会

 今日は第13回目の出版UD研究会の日でした。
今回のテーマは、
「合成音声を利用した読書の可能性」。
発表者は自身が全盲で、
盲導犬に関する本を書かれている松井進さん。

 とても印象に残ったのが、
視覚障害は別名"情報障害"ともいわれ、
一般に人は、外界からの情報の80%以上を視覚を通して得ている」
という言葉。
前回の出版UD研究会の折に、
障害者の情報取得量について考えていましたが、
通常であれば取得できるであろう80%以上の情報が、
視覚障害により失われてしまっている。
この事実をとても重く感じました。

 他に気になったのは合成音声に関するソフトウェアの技術力の低さ。
これは僕が元ゲームプログラマーで、
Windowsアプリケーションの開発経験があり、
エンジニアとしてずっとご飯を食べてきた人間なので、
多少評価が辛口になっているのかもしれません。
ただ、周りにいるWindowsアプリケーション開発経験者に、
評価を仰いでも似たような評価が下るとは思いますが。

 仮にこの業界には技術力の低いエンジニアしかいないとすると、
見えてくるものがあります。
それは数値として示されていないニーズであったり、
収益モデル構築の困難さなどなど。
お金にし辛く、評価が得られ辛いとなると、
開発リソースを集めるのは困難を極めますよね…。
この辺りが一つの壁なんじゃないかと思いました。

 この壁に関しては以前から気付いていたので、
対策としてのアプローチも色々と考えています。
オープンソースプロジェクトでの開発誘導。
広告付きソフトウェアによる収益モデルの構築。
形にするまでにパワーが必要ですが、
頭を使えばどうとでもなると思うんですよね。
あとは模倣のメカニズムでも利用して、
事業者を増やすと。

 この辺りは、
周りに話のできる人が増えてきたので、
少しずつ形にしてこうと思います。
栄養豊富な土に種を蒔き、
水と太陽の光りを与えるサイクルを作れば、
自然と芽が出て花開く。
前にも似たようなこと書いたけど、
こういったことは結果を急がないことが、
長続きする秘訣ですよね。
男と女のようだ(笑)